源泉所得税の改正のあらまし
Q 平成22年度の税制改正により、源泉所得税はどのように改正されたのでしょうか。具体的に教えてください。
A 平成22年度の源泉所得税の改正点につきまして、その主なものをご説明いたします。
1.扶養控除の見直しが行われました。
(1)制度の概要
- 扶養親族とは、居住者と生計を一にする次の人(青色専従者として給与を受ける人及び白色事業専従者を除きます。)で、合計所得金額が38万円以下の人をいいます。
イ 配偶者以外の扶養親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)
ロ 児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子
ハ 老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる養護老人 - 居住者に扶養親族がいる場合には、扶養親族一人につき38万円(年齢16歳以上23歳未満の扶養親族[ 特定扶養親族] については一人につき63万円、年齢70歳以上の扶養親族[ 老人扶養親族] については一人につき48万円)を扶養控除としてその居住者の所得から控除することとされています。
- 給与等に対する源泉徴収税額は源泉徴収税額表によって求めますが、源泉徴収税額表においては控除対象配偶者、扶養親族の人数など(扶養親族等の数)に応じて税額を算出することとされています。
(2)改正の内容
- 年齢16歳未満の扶養親族(以下「年少扶養親族」という。)に対する扶養控除が廃止されました。これに伴い、扶養控除の対象が、年齢16歳以上の扶養親族(以下「控除対象扶養親族」という。)とすることとされました。
- 年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、これらの人に対する扶養控除の額は38万円とすることとされました。これに伴い、特定扶養親族の範囲が、年齢19歳以上23歳未満の扶養親族に変更されました。
- 源泉徴収税額表においては控除対象配偶者、控除対象扶養親族の人数など(扶養親族等の数)に応じて税額を算出することとされました。
- これらの改正は、平成23年分以後の所得税(給与等に対する源泉所得税については、平成23年1月1日以後支払うべき給与等)について適用されます。したがって平成22年分の所得税については、従前どおりの控除が適用されます。
2.同居特別障害者加算の特例措置が 改組されました。
(1)制度の概要
- 居住者や居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が一般の障害者である場合には、一人につき27万円、特別障害者である場合は一人につき40万円を障害者控除としてその居住者の所得から控除することとされています。
- 居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が特別障害者であり、かつ、居住者、居住者の配偶者又は居住者と生計を一にするその親族のいずれかとの同居を常況としている人(以下「同居特別障害者」という。)である場合には、配偶者控除又は扶養控除の額に35万円を加算して所得から控除することとされています。
- 給与等に対する源泉徴収税額は、居住者や居住者の控除対象配偶者又は扶養親族が障害者(特別障害者を含む)又は同居特別障害者に該当するときは、これらの一に該当するごとに扶養親族の数に一人を加えて計算します。
(2)改正の内容
- 今回の改正により年少扶養親族に対する扶養控除が廃止されたことに伴い、(1)2の措置は、同居特別障害者に対する障害者控除の額を一人につき75万円(特別障害者である場合の障害者控除額40万円に35万円を加算した額)とする制度に改められました。
- 給与等に対する源泉徴収税額は、年少扶養親族が障害者(特別障害者を含む)又は同居特別障害者に該当するときは、従前どおり、これらの一に該当するごとに扶養親族等の数に一人を加えて計算します。(注)年少扶養親族の人数については、扶養親族等の数に加えないことになります。
- これらの改正は、平成23年分以後の所得税(給与等に対する源泉所得税については、平成23年1月1日以後に支払うべき給与等)について適用されます。したがって平成22年分の所得税については、従前どおりとされます。
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