国税における新型コロナウイルス感染症に関する対応について
国税庁では、新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応や当面の申告や納税などに関して寄せられた質問等をFAQとして取りまとめ、国税庁のホームページに掲載しています。
今回は、FAQの中から「企業が従業員の感染予防対策費用を負担した場合の取扱い」を抜粋して紹介します。
問 当社では、新型コロナウイルス感染症に関する感染予防対策として、従業員が負担した次のような費用を従業員に支給する予定ですが、このような費用の支給については、従業員に対する給与として課税対象となりますか。
また、このような費用の支給は法人税の損金の額に算入できますか。
① マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費
② PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など
〔所得税〕
【①マスク、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品の購入費】
業務のために通常必要な費用(例えば、勤務時に使用する通常必要なマスク等の消耗品費)について、その費用を精算する方法(従業員からその費用に係る領収証等の提出を受けて、その費用を精算する方法)により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税されません(企業がマスク等を直接配付する場合も同様です。)。
ただし、業務のために通常必要な費用以外の費用(例えば、勤務とは関係なく使用するマスク等の消耗品費)について支給するものや、従業員の家族など従業員以外の者を対象に支給するもの、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないもの(例えば、企業が従業員に対して毎月五千円を渡切りで支給するもの)は、従業員に対する給与として課税対象となります。
【②PCR検査費用、室内消毒の外部への委託費用など】
業務のために通常必要な費用(例えば、企業の業務命令により受けたPCR検査費用や、テレワークに関連して業務スペースを消毒する必要がある場合の費用など)について、その費用を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税されません(企業が検査機関や委託先等に費用を直接支払う場合も同様です。)。
ただし、業務のために通常必要な費用以外の費用(例えば、従業員が自己の判断により受けたPCR検査費用や、従業員が自己の判断により支出した消毒費用など)や、予め支給した金銭について業務のために通常必要な費用として使用しなかった場合でもその金銭を企業に返還する必要がないものは、従業員に対する給与として課税対象となります。
〔法人税〕
ご質問の費用の支給に係る企業の法人税の課税関係については、原則として、消耗品費、旅費交通費等や給与として損金の額に算入されます。
●国税庁ホームページでは、新型コロナウイルス感染症に関する対応等について、紹介したFAQの他、税制上の措置についてのリーフレット等を掲載していますので、あわせてご覧ください。